介護士の職業病である腰痛につながる原因とは?

あなたはいくつ当てはまる?介護士あるある!

腰痛になる原因は?


腰痛を発症する人の割合は?

介護の現場では介護士の腰に負担をかける動作が数多くあります。実際に腰痛の痛みを感じている人も多く、厚生労働省が調査した「介護業務で働く人のための腰痛予防のポイントとエクササイズ」によると、業務上疾病の発生件数は7,491 件ですが、そのうち4,870 件は腰痛が原因でした。
なぜ、介護士は腰痛を発症しやすいのでしょうか?考えられるのは業務の際の姿勢です。自力で動くのが難しい要介護者の介助を行う際は身体全体を支えなければならないため腰をかがめた、中腰の状態になります。前傾姿勢や腰をひねる動作は身体に大きな負荷をかけるので、その姿勢を続けることで腰痛になりやすいんですね。介助をする際は腰に負担がかかり過ぎていないか注意しながら行うようにしましょう。
腰痛になりやすいのは要介護者の身体を支えて介助する「移乗介助」や「排泄介助」、「入浴介助」です。

腰痛を発症する人の割合は?

「移乗介助」

移乗介助とは、要介護者をベッドから車椅子へ、車椅子からトイレへと移して乗せる介助のことです。要介護者の腰やお尻、膝などを抱えて移乗させるので腰に相当の負担がかかります。

「排泄介助」

排泄介助とは、要介護者を車椅子からトイレに移乗させたり、要介護度に応じてズボンの上げ下ろしや陰部を拭いたりすることです。移乗させる際に要介護者の身体を支えなければならないし、ズボンを上げ下げする時は中腰になるから腰に負担がかかってしまうんです。
要介護度が進み、トイレでの排泄が難しい場合はオムツを使用することになります。ズボンや下着を脱がせ、陰部の洗浄をしてからオムツを交換しますが、基本的にオムツを使用しているのは寝たきり状態の人です。寝ている状態ですべて行わなければならないため常に前傾姿勢でいなければなりません。オムツ交換は大体15分ほどかかるので腰への負担も大きくなってしまうんです。

「入浴介助」

入浴介助とは、1人では入浴できない要介護者の入浴をサポートすることです。入浴は身体を清潔にし、血行を良くしたり、心身をリラックスさせるのに役立ちますよね。多くの介護施設で行われており、介護士にとって入浴介助は欠かせない業務の1つ。入浴介助では要介護者を浴槽に移動させたり、洗髪や洗身を行ったりする時は身体全体を支えて行うので腰を痛めてしまう人も多いんです。

腰をかがめる動作は要注意

上記以外にも腰痛の原因となる業務はまだあります。例えば、自力で寝返りを打てない人の床ずれを防ぐために定期的に体位を変えてあげる「体位交換」。仰向けで寝ている要介護者の肩や太ももの下に腕を入れて、横向きにしたりするわけですが、前傾姿勢や中腰で行うため腰を痛めやすいようです。